エルフの日々

誰にも「約束」された場所があり・・そして誰もがそこを目指して一生懸命歩いてる
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悩める心

JUGEMテーマ:介護

悩める心


  在宅支援の中核を為す訪問活動。
医療機関や施設の中での活動と違い、直に利用者さんのお宅に入ります。
生活の中に入り込む事になるわけですが、なかなか難しいものです。
各々の家庭環境やご家族の状況が違ったり、地域性で全く習慣が違ったり、こちらの常識や社会   性とは異なった世界があったり。
時にこちらが宗教や哲学的な活動に勧誘されたり。訪問でのサービス提供を旨とした時、私たちはその環境との距離間を計らなければならず、何より高いソーシャルスキルを要求されたりします。

 夜半の休憩室にて・・
「どうしていいか判らないんです。」「何から手をつけたらいいか・・」「利用者さんの家の前まで行くと・・脚すくんでしまって・・」「良かれと思って・・でも余計な事したみたいで・・」「ケアマネからクレーム入って・・でも担当者会議ではそんな事なかったのに・・」「利用者さんはともかくご家族が厳しくて・・」「延々と不平や不満をぶつけられて・・もう疲れてしまって・・」「夜中も平気で携帯が鳴ります・・最近携帯怖くて」「宗教の勧誘が凄くて・・話聞かないならサービス受けないって・・」「おしりとか・・胸とか触られて・・我慢してるんですけど・・耐えられない時あって・・」

 夜中の相談室にて・・
「自分の力の無さに途方に暮れています。」「技術がないのは判っているけど・・勉強追いつかなくて・・」「今まで自分が何をやって来たのか・・」「自分が無くなっていくみたいで・・」「認めて貰いたい気持ちと認められない辛さと。」「プライベートも何もない。」「クレームは私のせいじゃないって・・思い込む程に・・」「自己嫌悪に苛まれて・・苦しくて・・」「理想と現実の狭間で迷子になっています。」「何から何まで全部頼られてしまうと・・抱えきれない時があります。」「ずっとこのままなのでしょうか・・いつも自分が無くなってしまいそうで・・」


 自らの存在を否定し、自己嫌悪に苛まれる。上がったり下がったり。心の強さ・弱さ。技術の高さ?努力?我慢?社会性と自己確立?休息と怠慢?仲間の助け・自助努力?
一日の大半を他の家庭の生活内部に入り込まなければならない職種にとって、その疲労感は誰にも理解されず、分かち合う仲間が居なければ時に悲劇的な状況になったりします。

まして、ましてそれが24時間介護を強いられるご家族であったなら。

  みんな・・どうか自分を責めないで下さい。
  力が足りないなら・・助け合いましょう。
  長い長い道のりは確かに何処かに繋がっているのだと信じたい。
  疲れたのなら・・どうか立ち止まって休みましょう。
  解決の道を探すのではなく、時に疲れた自分を認めて、自己愛に浸ればいい。
  誰が認めなくても、自分が自分を認めればいいのだと・・つい喉元まで出掛かります。

  夜半の休憩室・・今夜も誰かのため息が聞こえます。

2009.05.15 Friday 11:45 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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