エルフの日々

誰にも「約束」された場所があり・・そして誰もがそこを目指して一生懸命歩いてる
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西本町のおやじの唄

 西本町のおやじの唄


「やるなら今しかねえ。やるなら今しかねえ。」


サンレイガイガーの垢抜けないスイッチを入れると、チーちーチーって鳴く。
テレビの脇に置いた線量計は、今日も結構な数字を出している。
その数字を見て、舌打ちしながら今日も変わらぬ一日を感謝する。
変わらぬ事がどんなに安心か。
自分が何処に立っているのかがよく分かる。


「代表の話を聞いていると心配で眠れなくなる。」
そんなこと言われた夜。
「そうだよな。」って呟く。
皆何か不安を抱え、それでも精一杯毎日を送っている。
もう十分だし、人のことなんか知ったことかと嘯いてみる。
でも、でもだめなんだよな。
何がなんでも皆を守りたいんだよな。必要とされた時に知らねえよって言いたくない。
大丈夫だよって、何があっても準備はできてるって言ってやりたい。
これからを紡いでいく世代。次世代を育む君達を守りたい。
それが、この地を守るということ。


「やるなら今しかねえ。やるなら今しかねえ。」


あんたはさ金髪のフランス人だから許されるんだよと、もう何度背中に言ったか。
子供達が流された小学校の前でシャッターを切る彼を、俯いてサポートした日。
「昨年から福島はフクシマになりました。」友人からの皮肉に満ちた年賀状。
じいちゃんととうちゃん置き去りにして、3代目は九州に移住した。
「ここじゃ農業やってられない。これから食っていけない。」奴の言い分。


来年度の制度改定。政府は被災地に限り「訪問リハステーション」を認めるとか。
長年の悲願に、業界は組織ごと張り切っている。
知っているのだろうか。無人の荒野に訪問車を走らせる虚しさを。
知っているのだろうか。仮設で暮らす人々のことを。
行政と医療法人に支配された顧客争奪戦の地を。
知っているのだろうか。
でも、やるなら今しかねえだろうな。そんな地域にこそ根を生やせる専門職集団である事の証明。 「やるなら今しかねえ。やるなら今しかねえ。」


だからさ、酵母とか細菌とかじゃセシュウムなくなんないんだよ。
聞き分けないけど、何としてでも農地を復活させたいまっすぐ目の農業おやじ。
「白魚からさ。今年は白魚からなんだ。」網の目紡いで目を細める漁師のおやじ。
「売れないんだ。ほんと売れねえ。」魚屋のおやじ。
笑って「それなら俺が売れるようにしてやるよ。」ってすし屋のおやじ。
誰もが正直で、誰もが真面目に生きている。頭が下がる。


既得権を振りかざし、小ざかしい自己誘導理論で皆を誤魔化すおやじ達。
小さき者達を笑い、踏みつけて、人を嘲笑うおやじ達の顔など見たくもない。
訳知り顔のあんた達に、何が分かるのか。
「日本も今じゃくらげになっちまった。」


「やるなら今しかねえ。やるなら今しかねえ。」


定かならざる「明日」を創るために歩いている。
無駄あしと空振りの連続だけど、それでも種をまく。
うれしいことが偶にある。それがいけない。またがっかりするからだ。
もうすぐ準備が整う。何があっても安心できる環境とその仕組み。
盾の準備ができれば、矛を研げる。
平成24年度は、もうすぐそこにある。


「やるなら今しかねえ。やるなら今しかねえ。」

2012.02.10 Friday 21:24 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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