エルフの日々

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フォーレスト通信12「明日のためにその1」

JUGEMテーマ:介護


明日のためにその1

 「確かな明日作戦」の第一は、現状の利用者さんの状態を把握することにある。
私たちは、以前から防災対策マニュアルを作成していた。
しかし、それは3.11東日本大震災に対して悲しい程無力であった。
現在、今回震源地を起因とする余震の危険が叫ばれている。
沿岸部の地盤の低下、防波堤の破壊は十分にリスクである。
また、東京電力福島第一原発の影響は、隣県のみならず、私たちの地域にも暗い影を落としている。福島県から越境して非難して来ている人々の存在と、県南部エリアに居住している人々にとって、十分に脅威である。


 辛うじて、3.11の経験は、現在考えなければならない最低限の要素を想起させる。
安否確認の優先順位は、そのまま生命に直結する。
しかし、医学的観点だけから優先順位を考慮することはリスクである。
危機の回避は、まずその環境下で何が起こるのかを認識することから始まる。
3.11震災直後に起こった停電、渋滞、携帯等の情報連絡手段の断絶、交通手段の限定
などを考慮して利用者及びその環境を6段階にレベル分類し、生命維持と安全の確保を前提とした対策をたてた。(災害時安否確認レベル
更に、その後の生活環境を把握できないと2次・3次被害を生む結果になる。
実は私たちの地域は、まだこの状態を脱してはいない。
刻々と変化する生活環境の変化は、それだけで療養生活を危機に追い込んでいる。
現状の生活を理解せずに、継続した支援と次に起こる危機に対処できない。
災害時生活ニーズ評価表は、利用者レベルの把握に留まらず、地域の実情を考察する上でも
効果を期待している。
フォーレストでは、独自データベースに組み込むことで、既に調査を開始している。
調査表はごく簡単な判断基準で構成されているので、担当者であれば実際に現地に行かなくとも記入可能である。
また、ナビケア等既存のデータベースから利用者情報をエクセルに書き換え、評価表を組み込むだけで、簡易の災害時利用者データベースを構築可能である。
データベースを利用して、個々の利用者及びご家族に対する支援を考察可能であるし、一方でその地域の傾向が想定できるのではないかと考えている。



災害時安否確認レベル ・ 災害時生活ニーズ評価表

http://www.team-forest.net/adv/saigai/saigai_taiou.pdf


 今回最もハイリスクの対象はやはり停電により被害を受ける人々である。
在宅酸素・吸引の必要は、呼吸管理に直結しているため、入念な備えが必要である。
4.7余震時に山形県で停電による酸素の停止で、在宅療養中の方が亡くなったニュースは、
記憶に新しい。
3.11の本震時は、果たしてどのくらいの被害があったのか想像もできない。
 意外に見落とされたのは、電動ベットのリクライニング機能である。背上げした状態で数日過ごさなければならなかった人々の存在があったことは銘記されるべきである。
補助電源として、バッテリーや電池等考えられるが、安易に発電機等は使えない。
機材に精密機器が入っている場合は、インバーター式等電圧安定が確保されていないと故障の原因になる。
 吸引器具は、手動のものを用意すべきである。
フォーレストでは、2機種試したが、現在一般的に使用されている足踏み式は、体重の軽い介護者では困難。また足踏み式は破損のリスクが高いとの報告があった。
現在弊社推奨は、手動タイプで価格もかなり安価である。
 エアマットが機能しないと比較的早期に床づれの危険が迫ることになる。
布団等で除圧を試みたが、やはり完全ではなかった。早期に代用のマットレスに入れ替える作業が必要になる。
 食事や水分補給も困難となる。
今回胃ろうの利用者は念頭に置かれたが、所謂嚥下が困難になっている方々の水分補給
がまるで無対策であった。
避難所や在宅で無理に水分補給を行った人々が抱えた2次被害のリスクは、十分考慮されるべきである。ジェルタイプの飲料水の確保が望まれる。
 排泄は、とにかくオムツやパットの確保が困難になる。
療養先で提供されるオムツやパットが合わないために、その後様々な障害を呈した。
商品購入が不可能になるためある程度の備蓄が必要になる。
オムツやパットは、個々人で使用するタイプが違うことも、地域では理解されていない。
フォーレストでは、緊急でも2週間分程度の備蓄実施を決定している。
避難所等では、障害に合わせたトイレは期待できない。
簡易のトイレやポータブルトイレ等を組み合わせた環境の設定が、重要になる。


 何れにしても、現在の地域別のリスクを考慮しながら、環境と家族機能を考慮した
支援が必要である。
呼吸管理や嚥下の対策ばかりではなく、避難に際しての移動手段の確保や、その後の生命維持に関して、避難場所でのリスクを最低限理解した上での対策が必要になる。
既に、県内では小規模とは言えない人口移動があり、今までの概念では計れない状況が
生まれつつある。被災直後から刻々と変化する状況全てに対応することは困難であるが、最低限の備えさえ無い状態で、現状を考慮することは控えたい。


 将来を見通す復興計画も重要ではあるが、その先に、今皆が抱える不安の要素を取り除いてからでも遅くはない。
私たちはまだ危機を脱したわけではなく、その渦中に居るのだから。
尚、災害時生活ニーズ評価表は、何方にでも無料で配布しています。
ご要望あればご相談下さい。


「確かな明日作戦」は継続してお話していきます。

2011.05.21 Saturday 02:01 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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