エルフの日々

誰にも「約束」された場所があり・・そして誰もがそこを目指して一生懸命歩いてる
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フォーレスト通信8支援の思想2

JUGEMテーマ:介護

 支援の思想2

 
  震災から38日目。
地震速報が流れる度に、警報が鳴る度に、地鳴りが聞こえる度に、身構える。
津波警報や例え注意報であっても、今海岸線を走るスタッフを想う。
揺れが小さくても、今利用者と共にいるスタッフを想う。
そんなにがんばっても、原発に何かあったら、そこまでなのだと何処かに諦めがある。
確かな「明日」がそこにはないのだと知っていたはずなのに、今思い知らされる。
震災からここまで、できるだけのことはしてきたように思う。
今も自分たちにできることを考えている。今伝えなければならないことを考えている。
でも確かな「明日」が見えない今、この方向でいいのか考え迷ってしまう。

 
 新聞記事の片隅に載った保安庁潜水士の旧友は、誰とは知らない遺体の回収作業をしていた。家族を想い、その無念さを想い、自らの危険を顧みずに被災の海に潜る。
その彼を誇りに想いながら心配して帰りを待つ家族もまたそこにいる。


「福井は今までたくさん支援を受けてきた。だから今度は恩返しなんだ。」電話の向こうの声。
震災一週目に無償で物資を運んで来てくれた人々。
今週は三陸の人々をお風呂に入れる企画を実行している。


「これ無料じゃないの?」「ここに居れば何でもしてもらえるんだ。」
「面倒はボランティアがやればいいんだ。」「ボランティア希望なんかいっぱいいるから。」「国が悪い。行政が悪い。原発のせい。」「何にもすることないから暇なんだ。」


「被災地はね支援が必要なんだ。」「避難所に行って何かしたいんだ。」
「自分たちは必要とされるはずだから。」「何ができるかわからないけどとにかく行ってみる。」「今動かないとこんな時には使えない連中って言われる。」


 今、被災地は沿岸部だけになってしまった。
悲惨な光景を観て、行き場ない人々を観て、心の隅に眠っていた人間性を思い出す。
被災地は今ここにあるのに。目の前に。
宮城県は今大きく3つに分かれ始めている。間もなく4つに分かれるだろう。


誰の目にも明らかな悲惨な沿岸部。
未だ身体的危機と、飢えと、横たわる悲壮感。
自ら立とうとする意思を打ち砕かれた人々に対する支援とは何だろう?
もう一度そこに立ち上がるための意思を創る支援とは何だろう?


いつまでも生活が安定しない地域。
ライフラインが細々復旧し、スーパーには商品が戻り始めている。
避難所は縮小され、夫々が自立を促されている。
その地域で、なぜ低体温や低栄養がなくならないのだろう?
人知れず家の中でふるえなければならない人々を、誰が知るのだろう?


震災の影響が少なかった西部地域。
もう震災は過去のことになりつつある。緩んだ空気。
確実ならざる明日が見えている。でも、すぐそこにある2次被害。
医療機関や施設はもう一度その役割を果たせるだろうか?
東の地域を見ずして、果たして本当の「明日」はあるのだろうか?


そして間もなく南部に新しい災害が来るのかもしれない。
既に福島からたくさんの人々が避難してきている。
わずか数十キロ先にある新たな脅威。
そのことに気がついているはずなのに。


 「確かな明日」は、この地にはない。
物理的条件で引き裂かれた地域。同じ思考の支援では問題の解決には至らない。
今そこにある危機を感じ取り、今この地でできることをする。
支援をするということは、施すことではなく、立ち上がるための何かを与えることだろう。
夫々が夫々の場所で、周囲を見渡し、忘れられた人々を思い出す。
夫々が夫々の場所で、環境の違いを理解し、何が必要なのかを感じ取る。
夫々が夫々を心配し、声をかけ、今できることをする。
何が支援なのかをフィールドから学び、備え、そして実行する。
「善意」は続かず、自ら立ち上がれる者だけが救われる。
しかしそこに至らない者達をこそ、片隅で忘れられそうな者達こそ本当の支援を要する。
自らの概念を振りかざすのではなく、支援の対象から学び、その必要性を探り、確かな手立てで行動を起こす。
「定かならざる明日」ならば、その「明日」は自ら探さなければならない。

2011.04.17 Sunday 05:51 | comments(1) | trackbacks(0) | 
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藤澤ゆみ (2011/04/20 8:37 AM)
皆さん、お疲れ様です。遠い三重の地で何もできない悔しさを胸に抱き、読ませてもらっています。フォーレストの動きを確かめ、私自身も、自分に負けない、疲れに負けないように、利用者様の前で笑顔で頑張ることができます。1日がもっと長ければ、もっと利用者様のそばにいれるのに、といつも感じています。皆さんが頑張っているから、私たちも頑張れる。        グリーンタウン  
                藤澤ゆみ