エルフの日々

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連携ケーススタディ6【進行疾患支援】

JUGEMテーマ:介護

 【進行疾患支援】・・・進行性疾患・難病・悪性腫瘍等ターミナル支援

  この支援群は、ここまでの何らかの身体条件・生活条件を改善させるだけが支援ではなくなる。
現在ターミナル支援に関する議論はまだ完成されておらず、その方向性には個人の価値観や家族機能、社会的認知、地域性等考慮した対応が要求される。
ご本人の希望する生活保障が如何に達成されるかが問われる事は、当然であるにしても。

ケース1
 70歳男性。多系統萎縮症http://www.team-forest.net/h3-8/index.html
要介護3からサービス提供開始。当初何とか介助歩行可能であった。
この時点では、トイレの住宅改修を含め主に介護の質的軽減に目的が集中していた。
看護サービスは主に排泄と入浴といった療養に関するテーマが主体となり、リハは廃用性と原因疾患からの機能低下に対する運動療法と介護手法の開発、それに併せた環境の変更に重点を置いていた。又通所系サービス利用も為されていた。
肺炎での入院を期に、機能・能力とも急激な低下を来たし、要介護5となる。
全身状態が不安定となり、特に体温や血圧の変動に対応した日常生活の設定が必要になる。この段階で、リハは車椅子座位の確保とそのコンディションの維持にサービス目的を変更する。看護は看護処置及び全身状態の管理を徹底する。
家族・ご本人の希望は少なくとも数時間でいいから居間で過ごしたい旨話があった。
又、介護サービスはレスパイトを考慮した内容を強化する。
入浴サービスの導入・訪問介護の時間設定等家族の介護の量的軽減が指向された。
時間の経過と共に、車椅子は血圧の低下を考慮してリクライニングに変更される。
経口での食事は困難となり、胃ろうの処置を受ける。
主治医の配慮で入院時VF実施。  http://www5.ocn.ne.jp/~swallow1/swallow/bunken_list.htm
棒のついた飴等口に入れられるものをご家族と確認し、最も適した座位の設定を実施。
ベット上環境の設定。コミュニケーション手段の開発。ご用事ブザー(緊急ブザー)スイッチの開発等、少なくともご家族とご本人が安心して在宅生活を送る手段がサービス提供の主目的となる。
次々と変化する障害に対応し、機器の変更や環境の設定を行う。介護場面での対応や手段を開発し、関わる全ての人たちが共有する。
約2年間。ご本人、ご家族、そして主治医をはじめ多くの人たちが障害の変化に対応し、生活を保障する目的で関わる事ができた。


ケース2
  68歳男性。パーキンソン病http://www.team-forest.net/h3-8/index.html
訪問サービス開始時はまだ歩行が可能であった。
日内変動が大きく、機能訓練と共に介護手法の検討が常に必要であった。
通所サービスへの移行支援が当初の目的であった。
ここまで訪問看護サービスは提供されていなかった。午前中の時間帯はどうしても機能・能力とも低い傾向にあり、又介助量も大きくなった。
通所サービス移行後は、必要な場面での相談訪問を中心に、一時かかりつけ支援となる。
ベット上起居の能力低下が報告され始めた矢先転倒。大腿骨頚部骨折。長期の入院となり、廃用性症候群進行。手術を受けなかったためにその後は立位は支えて漸く可能なレベルで歩行は不能となった。又呼吸・血圧・体温調整の管理が必要で、通所サービス等外部サービスの実施は困難となった。
退院時移行支援にて、訪問看護・訪問リハ・訪問介護・入浴の各サービス調整。
主治医を中心に綿密な全身管理と介護手法の検討・開発が為された。
進行疾患は、疾患の進行よりも寧ろこの様なアクシデントから身体機能の低下を来たすケースが多い。又十分なバイタル管理が為されないままの外部サービスは、サービスに適応できないだけでなく、機能低下すら起こしてしまう事は銘記されるべきである。
リハサービスは徹底した廃用性の除去と、常に変化する状態に合わせた介護手法の開発が目的となり、約6ヵ月の退院時移行支援終了後は、並行していた看護にその役割を移す。
障害悪化ハイリスク支援と言った関わり方となる。
看護からは絶え間なく変化する状況をケアマネジャー・主治医・他のサービス事業者に情報伝達された。
残念ながら、その後肺炎の併発により亡くなったが、最後までご家族介護で車椅子で生活できる時間を持てた。


  しなければならない事。変化に対応する事。リスクを常に考慮する事。いっぱいあり。
ターミナル支援は勿論疾患や時期により、その目的やかかわりは変化する。
しかし、生活を如何に保障するかと言う観点に於いてはその基本軸は揺るがない。
末期の利用者さんの枕元で、必死に緊急ブザーのセッティングをしている作業療法士。
24時間常に管理と処置に飛んでいく医師・看護師。変化する介護手法を見事に実行するヘルパーさん。そして何より献身的に付き添うご家族。
そんな連携チームがターミナル支援の根幹を支えている。
治したり、改善したりしない医療・介護。自立支援ではなく生活の保障に徹する支援。
それが進行疾患・ターミナル支援である。


【障害悪化ローリスク・移行支援】につづく・・・

参考
https://ssl.miwapubl.com/products/detail/933
http://www.team-forest.net/g1/images/20.pdf

2009.12.08 Tuesday 22:24 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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