エルフの日々

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連携ケーススタディ【ニーズ分類とは何か】

JUGEMテーマ:介護
ニーズ分類とは何か?
 

 ここまで、退院時移行支援・生活再設定支援・運動器向上支援の3つサービス提供手法を考察して来た。
これまで医療で実施されるリハビリテーションは、疾患ベースの体系的分類か、若しくはICF等をベースとした障害分類が一般的であった。
しかし、それらの分類はあくまで「こちら側」の思考であり、決して患者さんや利用する人たちが何を求めているのかを考察した思考ではない。
仮にそうだと主張しても、結果を判定・判断するのは我々ではない。
そして、入院期間や治療期間が限られてしまう現状に於いて、「こちら側」の思考で提供される「サービス」が本当に利用者にとって有効であろうか?
運動機能・運動能力・作業能力といった限られた範囲のリハビリテーションでさえ、限定的な様相を呈している事は、誰しもが認識しているところである。
「機能・能力の開発」と「生活を再構築」の両面を担うリハビリテーションの概念は、
既に一方向からの視点ではなく多方面からの視点で、しかも「サービス」を受ける消費者側からの視点を内在しない限り、社会に受け入れられる概念とはならない。
自らの生業が、何に立脚しているのかを改めて考え直す時期なのだと愚考する。
何も難しい話ではない。「利用者は何を求めているのか?」を追求する事である。

 
 現在我々のニーズ分類は,「身体障害モデル」「発達障害モデル」「認知症モデル」の3つのカテゴリーで研究を進めている。
研究は当社の事業計画に基づき、それぞれ専門分野に分けて進められている。
これまでの当社利用者の蓄積データから、ニーズとして抽出できた項目を分類し、現在の大まかなニーズ分類を実施した。
各分野とも未だ方向性を見出しきれなかったり、細部に渡る分類に至っていないのが現状であるが、少なくとも自らが提供する「サービス」の指標となり、又会社にとっては事業そのものを組み立てる根幹となっている。
 蓄積データを収納するデータベース(FNS:フォーレストネットワークシステム)は、
元来医療福祉複合体内部を連結する目的で作成され、現在も複数の医療機関、老人保健施設で使用されている。
多職種が多事業で連携するための共有情報ツールとして、又そこで構築された介護手法をリアルタイムで皆が共有し、利用者や家族にそれを手渡せる事が最大の目的であった。
故に、利用者が抱える問題を当初から多職種の思考で多くの機会(事業)で解決するのが当然であった。又逆説的ではあるが、その中で自らの専門性とその主体性を見出す事が可能なのだと痛感するシーンが幾つもあった。
 我々の分類データは、そういった環境の中で育まれたものである。


さて、
リハビリテーションにエビデンスが要求されるようになって久しい。
経験則に基づく手法ではなく、エビデンスに基づいた手法を要求するのは、消費者若しくはそれに代行する機関としては当然であり、言い換えればそれは社会の要求である。
しかし、リハビリテーションは広範囲な意味を持ち、サービス提供される時期や環境に大きく左右される。
仮に「訪問リハビリのエビデンス」「通所リハビリのエビデンス」などと限定したとしても、その範囲で消費者が何を要求し、我々が何をしたのかによってそのエビデンスは如何様にも変化する。
つまり、我々がエビデンスを要求されたのなら、「この要求に対してこれをしたらこうなった」と回答しなければならない。
冗談の様な話だが、リハビリテーションの範囲が広範なだけに、一つ一つの範囲に絶対値を付け、且つ定義する必要がある。
我々は、それが利用者ニーズだと考えているのである。
しかもそれは理学療法士・作業療法士・言語聴覚士といったリハ専門職だけの領域ではなく、関連する総ての職種の連携の上に成り立つものである事は銘記しなければならない。

今後とも当社ではこの利用者ニーズ分類の研究を進めるが、本来この様な研究は研究機関や医療機関等にお任せしたいところである。何より我々は現場でサービスを実践する者達であり、その中から紡ぎだせる研究はその速度も深度も限られている。
多数の有識者の下で研究がされる事を、実は切に願っている。


「かかりつけ支援」につづく・・・

参考
https://ssl.miwapubl.com/products/detail/933
http://www.team-forest.net/g1/images/20.pdf

2009.10.06 Tuesday 22:20 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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