エルフの日々

誰にも「約束」された場所があり・・そして誰もがそこを目指して一生懸命歩いてる
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連携ケーススタディ13【ニーズ分類とは何か?パート3】

JUGEMテーマ:介護

 連携ケーススタディ13【ニーズ分類とは何か?パート3】

2)非期間設定群(長期支援)  → 期間設定しない・できない訳がある

長期支援解説の前に

 〇簔のサービス提供手法はどんなベクトルなのか? 
 
 何度か書いて来たが、利用者をはじめサービスユーザーにとって有効であるサービス提供手法とは如何なるものであろうか?

 最近では多少の変化を認めるが、医療機関内のサービス提供は、疾病や障害治療の名の下にサービスを受ける側と提供する側には一定の共有された目標がある。
故に提供されるサービスそのものを利用者側は受け入れる事が容易である。
又、サービス提供側もそれが至極当然と受け止める。
加えて、医療機関内では、環境や提供される食事をはじめとしたケアサービスは一定の
量と質が担保され、ほぼ平等な生活環境が提供されている。
この時点で、既に医療機関内とその外でのケアが全く別な事象になっている事を確認しなければならない。
当たり前?そう当たり前なのだが私達が有している概念やサービス提供のベクトルは、
相変わらずそれらの違いを認識したものになっていないのである。
  
 一方、サービス提供手法の観点から考察すると、サービス提供者は本当に利用者の都合や要求に従順だろうか?
「医療・福祉が広義にサービス業である」ならば、本来私達は利用者はじめ利用料を支払っている人たちの要求に応える義務がある。
しかしながら、私達が提供するサービスは利用者からの要求ではなく、国が決めたサービス体系の中から事業を創出し、法的に決められた範囲でユーザーの生活を支えようとしている。
これまで創られてきたサービスが何処か画一的になっていた事や、障害の改善や生活そのものの構築を謳いながら、老人保健施設や類似の施設が利用者に画一的な生活を押し付けて来たのもこれが起因する。
誤解を恐れずに言えば、「生活再構築」と「収容先確保」と言う相反する事象を同じ定義や概念で進めているのではないか?この国で障害や疾病を持つと生活が限りなく画一化されたものになってしまうと言う事か?
医療保険や介護保険の報酬改定の度に繰り広げられる私達側の右往左往は、何処か利用者を無視した、つまり当事者無き議論に思えてならない。


◆ヾ間設定可能なニーズ・しにくいニーズ
 
 「費用対効果」と言う言葉は、投資しようとする商品やサービスなどの価格が、満足度やその機能などの価値に見合うか否かを表現した言葉である。
近年医療・介護報酬決定やそのサービスそのものの政策決定にこの費用対効果を要求され始めている。報酬に見合うサービス提供手法が常に要求されている訳だが、当然その効果を計る物差しが必要である。
EBM(Evidence-based-medicine)は、医療分野での実験データや症例などの具体的証例
に基づいた理論構築を指す。
このEBMが本来の費用対効果を示す指標なのかどうかは多少議論を要する。
リハビリテーション業界に於けるこのEBMは、治療として成立する分野であれば何処までも追求されるべきものであろう。しかしこれは費用対効果指標とは意味が違う。
ここに大きな断層がある事を、もう少し理解されてもいいように思う。
医療機関の外で展開されるケア(生活)の構築に内在されるリハビリテーションは、治療としてEBMを追求可能な部分とそうなりにくい部分とが混在しており、それを明確に分離する事が甚だ困難なのである。
同じ手法を使用しても、個々の利用者の家族機能の差異や心理状態に余りに左右されるのが常態だからである。又それが「人の生活」なのだろう。
しかも私達が持つその「手法」さえ、未だ医療機関内であっても標準化されていなかったり、医療機関の外ではそれこそ個々のサービス提供者の力量によって左右されているのが現状である。
 
 「生活構築」を前提としたサービスなのだとしたら、治療的分野のその先にあるものに
対する費用対効果指標はもっと別次元の思考が必要である。
期間設定が可能な群は、どちらかと言えばEBM指標で示しやすい。
しかし、疾病・障害重症度・時間経過に伴う変化・家族機能・心理的状態・その他社会背景等の
変数(個々人の差)を考慮したサービス提供を要求されるシーンに於いては、個々の利用者に対してどんな方向でどんなサービス提供を実施したかが問われる。
その一つ一つを臨床的に積み上げ、検証し、分類していく作業こそが必要なのである。
そしてその分類こそが、今後の私達のサービス提供の方向なのだと考える。

   非期間設定群(長期支援)には幾つかの分類・傾向があり、その一つ一つのパートに私達のサービスを必要としてくれる人達が居る。
まずはその人達に、私達が何を届け、何を結果とするのかを検証する事こそ私達の務めであり、その積み上げられた検証結果こそがEBMとは違った費用対効果指標なのたと思う。

非期間設定群(長期支援)の現在の私達の分類は以下の4つである。
顱法擇かりつけ支援】
髻法攷聞埃栖技抉隋
鵝法攵祿屋化ハイリスク支援】
堯法攵祿屋化ローリスク支援】

2010.05.27 Thursday 16:42 | comments(0) | trackbacks(0) | 

連携ケーススタディ12【ニーズ分類とは何か?パート3】

JUGEMテーマ:介護

 1)期間設定介入群  → 明確な目標設定と生活・介護手法開発がポイント


【運動器支援】

  リハビリテーション分野では最もニーズが高く、又期待もされる分野である。
又、家族をはじめケアマネジャーや主治医の理解も得られ易く、効果を示しやすい。
どの支援サービスにも直接的・間接的に提供される事になる。
しかし、運動器支援の定義はその実領域が広く、専門職の役割分担も明確ではない。
整形外科領域の様な運動器に限定した障害群であっても、生活場面や社会活動といった場面では総合的な対応を迫られる。
故に、サービス提供にあたっては期間限定可能な狭義の運動器支援と、包括的且つ長期間の対応を求められる広義の運動器支援が存在する事を認識すべきである。


 ヾ間設定群
   疼痛軽減、骨折等の期間内後療法、筋力、基礎的な体力等がこれにあたる。
サービス提供に最も適応する専門職の投入が肝要である。
理学療法士が大きな役割を持つが、意外に看護師対応が必要なケースは多い。
特に退院時移行期間の基礎体力低下の群に対しては、実質的リハビリテーションの前に看に よ る集中的なコンディションの調整を行った方がより早期に目的を達する。  
疼痛軽減等一見慢性的に起こっている障害も単純に疼痛軽減を図るのではなく、福祉機器等の利用や生活環境調整等 の総合的対応が必要である。
期間内に問題解決を図り、問題が解消する事で次の選択肢が方向付けられる。
最近特に留意すべき事象としては、医療機関を治療途上で退院したり、不十分な能力開発で在宅移行になるケースである。
  特に障害が重複していたり、高次脳機能障害を合併していたりするとこの傾向が強まる。又、入院中合併症を併発し、限られた治療期間内で必要な措置がとられていないケースも実際に少なからず存在する。
限定的入院日数による弊害ではあるが、医療機関から一旦出てしまった場合を想定しその後の十分な治療システムの構築は急務である。
  障害状況にもよるが、1ヵ月から6ヵ月の期間設定で問題解決を図れるように、サービス提供手法を随時検討する必要がある。
十分に社会生活に対応可能になったり、生活そのものが安定したならば、そこでサービスは終了となる。
  

◆〃兮嚇サービス提供が必要な群
  関節リュウマチや脳・脊髄損傷を起因とする障害などは、その後定期的なメンテナンスが必要である。又内服や栄養摂取等常に管理が必要な場合も想定される。
こういった期間設定に向かない継続してサービス提供が必要な群に対しては、狭義の運動器支援を早期に解消し、サービス提供目的を明確にした継続的なメンテナンスや生活の中で起こってくる障害に対してその都度支援する態勢が必要である。
「無為に・・根拠無く・・」と表現されるリハビリ若しくは関連サービスがこれらに被せられたりするが、これは所謂「維持期」と言う言葉に対するイメージであり、又弊害である。
サービス提供者も、十分なマーケットセグメントをせずに、「廃用性予防」などとピントのボケた包括的目標でサービス提供してはならない。
個々の生活に対応する機能・能力を発揮させるためのメンテナンスであり、決して後方視的な障害維持ではない。又やはり個々に違った生活条件の基で起こって来る問題をその都度解決していくシステムがなければ、生活の質どころか生活そのものを低下させる事になる。
サービス提供にあたっては、頻度・専門職・提供サービス条件等を十分に鑑み、適宜利用者サイドの都合に合致したサービス提供が肝要である。


 運動器支援は、単に運動器の改善だけを図るものではなく、生活阻害因子となる条件を取り除く作業である事を銘記すべきである。
そういった意味で、障害や疾病の十分な理解と、利用者の生活状況を複合的に考察したサービス構築が必要である。
故に、消費者である利用者やそのご家族のニーズを十分把握し、その目的に沿った手段・場所・期間の設定が必要なのである。
そろそろ「誰が、何に対して、どんな目的で、どのくらいの期間、何をするのか」といったサービス提供の立て方をしなければならないし、又それを標準化する作業が必要である。
この点がはっきりしないと、サービス提供のコスト算出などできようはずもない。
そして本来到達可能であった機能や能力を獲得できない犠牲者を生み出している事を、我々は危機として捉えなければならない。
「リハビリ」は聞こえはいいが、本来の概念に基づく「リハビリテーション」が今必要なのである。


【長期支援群】に続く・・・

2010.04.26 Monday 12:23 | comments(0) | trackbacks(0) | 

連携ケーススタディ11【ニーズ分類とは何か?パート3】

JUGEMテーマ:介護

 1)期間設定介入群  → 明確な目標設定と生活・介護手法開発がポイント


【生活再設定支援】

 
 退院時の移行支援に対して、この支援は既に定着している生活に内在する問題を解決したり、障害の変化に対するリカバリーが主な目的である。
既に定着している生活の中では、利用者ニーズは利用者自らが改善を望む事象こそ優先的に解消されるべきである。
この点に関しては利用者側とサービス提供者側で目的は容易に一致を得られる。
しかし、利用者側が気がついていないか若しくは家族生活環境の理由で必要ではあるけれど犠牲になっている事象もある。
こういった直接利用者側から要求はされない若しくは歓迎されない事象に対しては、両者の間に目的共有が得られないか、時間を要する場合もある。
利用者がイメージする生活の構築こそ大切にすべきであって、サービス提供者側の価値観や都合での判断は消費者である利用者との乖離を生んでしまう。
又、医療的見地から生活を考察する専門職と、介護そのもの若しくはレスパイトを主眼にする専門職とでは、利用者に提示する方向性が違ってしまうケースがある。
本来このバランスを調整するのはケアマネジャーであったり、主治医であったりが妥当であるが、残念ながら生活フィールドに立つ時間数と多方面の生活問題に単独で挑むのは困難である。
利用者とサービス提供者側との目的共有と一致した問題解決手法獲得が得られるためには利用者の生活フィールドから常にフィードバックを受け、情報を徹底して還流させる以外には手段はない。


 本来、生活構築を目的とした場合、身体的障害像と生活活動そのものとを乖離させて思考するのは困難であるが、サービス提供目的を前提にニーズを分類すると次の3点になる。


 /搬療再構築
  → 医療処置・看護処置・運動器支援
  顱貿冤兩等2次障害や新たに出現した障害のリカバリー
  髻鵬麌途上若しくは障害の変化に伴う能力障害の補正
  鵝頬性的に必要なコンディショニング
  堯ADL上必要な身体的処置
  ※髻万鵝砲呂修里泙浚間設定が外れて運動器支援・かかりつけ支援等に移行する
◆\験莢善   → 看護処置・環境設定・介護手法構築・家族支援
    顱鵬雜醂矛攜此Σ雜醉便性改善
  髻棒験莠立度向上・目的活動遂行能力・手段開発
  鵝鵬搬下匆饑験荵抉隋Σ搬臆雜邨攜
 移行支援   → 移行支援・情報集積還流・その他関連支援


大雑把に3点に分けたが、一つ一つの項目は更に小項目に分けられるだろう。
生活再設定に必要な事項以上は、その後期間設定を外して、目的毎にサービス支援体制を変更する必要がある。
又、目的遂行に最も適した専門職がその都度サービス担当する事が重要となる。


訪問看護や訪問リハは、,任楼厠呂鯣揮し易いし又効果も見えやすいだろう。
しかし、◆Νの項目こそが地域ケアでは最も優先的に考察されるべきであり、利用者ニーズも具体的なものが多い。
利用者からのリクエストだけではなく潜在的に必要な要素であっても、必然として Ν◆Νの複合的な結果とサービス提供が為されなければならない。
言い換えれば、,里澆覆蕕梱◆Νのリクエストに対して如何に自らのサービスが有効であるのかを示す事ができなければ、本来の意味で利用者ニーズを満たす事にはならない。


訪問看護、若しくは訪問リハビリのエビデンスが出にくい理由が、実は,紡个垢覯善が△筬の指標で判定されていたり、技術的・手段的標準化が為されない状態での判定になっていたりする事にある。効果判定とは、問題に対する手段を結果として判断するものである。在宅支援系サービスの効果を判定するのならば、少なくとも「どの様な対象に」「どんな方法で」「どのくらいの期間・頻度で」実施したのかを項目毎に判定すべきである。最もその項目の設定と標準化が為されていないことこそ問題なのだが・・・・

【運動器支援】につづく

2010.03.23 Tuesday 19:44 | comments(0) | trackbacks(0) | 

連携ケーススタディ10【ニーズ分類とは何か?パート3】

JUGEMテーマ:介護
 【地域ケアマーケットセグメント】・・ニーズ分類とは何か?
 パート3各論


1)期間設定介入群  → 明確な目標設定と生活・介護手法開発がポイント

【在宅生活移行支援】
  
医療機関から退院直前・直後から在宅生活が成立するまでの状態に対する支援。
期間は数週間から6ヵ月程度までが設定範囲である。
提供サービス項目は、生活に必要な全ての項目が必要になる。
最も重要視すべきは、介護される側とする側が共に安心して納得できる体制が構築されるか否かである。
この時点での留意事項は、レスパイトを中心にしたサービスではなく、身体的コンディションの安定・管理である。
ADLは介護手法の確立が先行されるべきで、しかも適宜変更を要す。
できるだけ短期間で落ち着いた生活環境が整う事が最大の目標になる。  
ADL上では食事と排泄の関連項目が重要で、実に75%以上の利用者ニーズが潜む。   

利用者若しくはご家族からのニーズが顕著なのは、医学的な管理だろう。
医療機関内では問題にならない些細な事が、実は大きな障壁として現れている。
又、医療機関内では当然の処置が、退院したその日から全く受ける事ができない。
生活の内部を思考した対応が果たして医療機関に可能かどうかは別にして、そろそろ回復期病棟や老人保健施設での対応を見直す時期なのではないだろうか?
この時期の訪問看護ステーションの役割は実に多彩で且つ必須である。
度も入退院を繰り返すような疾患やターミナルを前提とした状況下に留まらず、もっと訪問看護のあり方を消費者に解りやすく解説できないだろうか?
在宅医療を提供する個々の医師が、気軽に声がけして使える敷居の低い医療スタッフの集合体。
医療機関のようなピラミッド形式の意思伝達ではない、相互情報交流が可能な体系こそが今地域に求められている。

リハビリテーションサービスも御座なりのサービスではニーズを満たせない。
身体的・精神的コンディショニングと介護手法を念頭にした環境設定こそ急がれる。
最も
、最近の傾向としては未だ治療途上の利用者が多数見受けられ、生活を落ち着ける手法と並行して疼痛や差し迫った障害に対応しなければならないケースが多すぎるように思われるが・・

何れにせよ、この段階での利用者ニーズは混乱の中にあり、適宜コーディネイトする必要がある。
つまり、ニーズはセグメントされるのではなく、提案されたり選択されたりする時期なのである。
この点では、優れた主治医やケアマネジャーの存在が大きいいが、時にその混乱に気がつける誰かが声をあげるべきである。
本来のニーズは多岐に渡るが、放置されレスパイト目的に陥る状況が多い。 
障害の重症度を人為的に悪化させているようなものであり、その責任は自ずとサービス提供者にあるものと自覚しなければならない。
                                                             
【生活再設定支援】につづく・・
2010.03.09 Tuesday 20:46 | comments(0) | trackbacks(0) | 

連携ケーススタディ9【ニーズ分類とは何か?パート2】

JUGEMテーマ:介護
【地域ケアマーケットセグメント】・・ニーズ分類とは何か?〜ICFなどあっち行け!!
パート2総論
 
 「医療と介護の連携」、「急性期から維持期までの淀みないケア」、「職種間連携」等医療介護分野の世界で言われて久しい。立派な文献等の文末には決まり文句の様に必ず添付されるキーワードである。
しかし、これらのまるで掛け声の如くの決まり文句が現実に十分機能している事は稀である。
皆が、必要な事若しくは目指すべき方向なのは理解していても阻む何者かが居る。
ラジカルな言い方をすれば、現実に機能しないものは一度疑った方がいいのではないだろうか?
・・・
地域ケアに於ける新しい思考が必要?
 病気や怪我で医療機関にお世話になる。これは当然の事だし、誰も疑わないだろう。
医療機関では、病気や怪我を治療し、生命を守り、身体を回復させようとする。
治療にあたっては、最善の方法を医師をはじめとした医療従事者が患者と共に選択し、管理体制の中で目的を遂行する。ここではサービス(治療)提供の目的は、消費者(患者・家族)の目的に合致している。又、そうでなければならない。
故に、我々の取り決めた障害分類(ICF?)に合わせたサービスが供給されても許容される。
しかし、一旦医療機関を出た場合、果たしてサービス提供者と消費者の目的は一致しているのだろうか?現場で起こる悲喜こもごもの出来事は、ICFには決して合致しない。
医療機関等では徹底した管理が必要だが、その管理は病気や怪我に対する管理であって、消費者の生活に留意はしても決して介入はし得ない。
故に医療機関から一旦出てしまえば、如何なる状況がそこにあろうとも、必然として生活主体のサービス提供思想が必要になる。
「生活リハビリ」なる難解なる言葉が一時持て囃されたが、その思考を十分具現化した環境が現在存在するとは言えない。
生活を決定する因子が単純にADLに終始するものではなく、まして多岐に渡る生活条件と我々側の分類(ICF)が個々に合致しないのだから、それは当然なのである。  
多様な生活環境や消費者である患者・ご家族の必要性に応えるためのシステムが必要であるが、
残念ながら現在の医療・介護分野の思考は制度から紡ぎだされた事業が主体である。
当たり前の話しだが、制度保障と行政負担を考えると、事業サービスそのものを画一化したモデルにするか、報酬に制限を加える事で制度設計されてしまう。
地域ケアは、障害の重症度・障害の種類・家族機能・地域性と言った異なる環境ベクトルから消費者個々の必要性に合致した方向性をこそ要する。
しかしながら、画一化されたサービスモデルはその対応に合致しなくなるばかりか、本来得られるはずの帰結も生まない。延々と介護負担の軽減とレスパイトを前提としたサービスが連続するだけである。
・・・
社会背景と現状は?
  現在、医療機関に入院する日数は限られたものになっている。
急性期・回復期・維持期などと悠長な障害時間区分的発想では追いつかない現状がそこにある。
既に、急性期から在宅を強いられる人々は相当数にのぼり、回復期病棟や老人保健施設が果たせる役割も形骸化し始めている。
実はこういった生活に繋げる役割を持つシステム群こそリニュウアルが必要なのだが、一向に改革の兆しがない。
又急性期の状態の人々を受け入れられるだけの機能も能力も在宅支援事業群には乏しい。
必然として、消費者である患者・ご家族の負担と制度コストだけが上昇してしまう構図がそこにはある。
社会的要請とサービス提供者との間に激しいギャップが生じている事を自覚するべきである。
本来目を向けなければならない事に気がつかないまま、我々自身が勝手に分類した障害状況を当てはめ、多様に変化する生活環境の改善策も持たずに、一体我々の存在意義とは何処にあるのだろうか?少なくとも、家族機能を言い訳に、転機先が決定されている社会環境をこそ憂い、自ら敗北を認めるだけの潔さくらいは持ち合わせていたい。
・・・
地域ケアの混乱そして新しい方向性
 入院期間の短縮化や老人保健施設等のホテルコストの導入以降、在宅で療養される方々が増加している。これは介護保険領域のみならず、子供達から若い世代でより顕著である。
奇しくも元の社会に復帰できたと言う意味では、皮肉だが正当な流れになったのかもしれない。
しかし地域での現状は矛盾と不条理に満ちている。
我々サービス提供者も、自らの足場さえ危うい状況が続き、且つ社会構造の変化に対応するだけの力の拠り所を失くしている。不幸で不条理ではあるが、言い換えれば変化の時代なのだろう。

さて。
サービス提供者と消費者である患者・ご家族との間で如何なる目的共有が可能なのか。
その共有なくして、地域ケアの本来の進化は在り得ない。
もう一度批判を恐れず、声を潜めて叫ぶならば、「地域ケアなど疑え!」と言うところか。
私達は、そこに新しい思想を見出そうとしている。
我々の障害分類や制度で企画された発想ではなく、もっと消費者サイドに立ったサービス提供ができないだろうかと考えたのである。
以前にも書いたが、我々のニーズ分類は利用者データベースから抽出した個々の要求を、
一定のカテゴリーで仕分けしただけのものである。
しかしこの仕分けしただけの分類で提供サービスを思考すると、明らかに個々の生活者の生活に寄与することが可能であった。
又どんな問題に何をしたかが明確なために、その効果を十分ではないにしても判定したり考察する事ができた。
自らの役割が明確になり、他の職種と目的を共有し、連携した思考で目的追求可能であった。
勿論支援目標は複数になり、単独職種や単独事業ではその目的は達成されない。
本当の意味で、「多職種連携」・「多事業連携」・「シームレスケア」など地域ケアの合言葉を、沢山のサービス提供仲間と共有できたのである。
最も、零細弱小企業の忙しい業務の合間に、皆でコツコツ紡いだ分類や方向性は完成に程遠い。これからも協力してくれる総ての人たち、団体と協力して研究を進めるつもりでいる。
・・・
 これまで、事例を考察しながら、弊社身障タイプのニーズ分類を考えて来た。
我々の生業は、サービス業である。
サービス業ならば、消費者が何を求め、何を必要としているのか、それを常に時代の変遷と共に追求し続ける事が要求される。
マーケットが何を要求しているか定かでない事業群こそ何れ社会から消滅するのだろうし、絶えずマーケットをセグメントする気概と勇気を我々は持つ必要がある。
言い換えればそれは、「地域ケア生活者マーケットセグメント」
それが、我々のニーズ分類である。

パート3各論につづく・・

2010.02.12 Friday 18:20 | comments(0) | trackbacks(0) | 

連携ケーススタディ8【InstrumentalADL支援】

JUGEMテーマ:介護

 【Instrumental ADL支援】・・・・社会復帰・職業復帰・社会参加に対する支援

 
ケース1
 42歳男性。脊髄損傷。両側下肢麻痺。
歩行不能だが、車椅子にて日常生活は高いレベルで自立している。交通事故で受傷。
ここまで2年近く自宅療養している。
家の中は既に環境設定され、車椅子で自由に移動可能。
ご本人の希望は自分独りで外出し、できれば仕事に戻りたいとの事だった。
問題は、長時間の座位と外出を可能にする車椅子の設定と、排尿管理にあった。
車椅子は、シーティング(座位姿勢と活動に合わせた設定)実施し、更正相談所担当及び
車椅子製作担当者と綿密に打ち合わせし製作に向かった。
排尿管理は、主治医より自己導尿の指示。
しかし神経障害のために外出時にはどうしても不安が残った。
特にデリケートな問題のためにご本人もその対応に心を痛めていた。
自己導尿は必ず実施する事として、外出時に間欠式バルーンカテーテル提案。
http://www.team-forest.net/h3-1/barun.html
主治医と打ち合わせし、カテーテル操作練習目的及び管理で訪問看護実施。
ここで生活再設定支援と目的は重なるが、利用者さんの目的が「外出」とはっきり決まっているので、こちらの支援サービス目的は、単純な生活再設定ではなく、IADLそのものに対する支援となる。
現在車の運転も可能となり、外出は自由にできるようになっている。
・・・
・・・
ケース2
 68歳男性。胃がん。ターミナル支援で訪問看護が主治医と連携してサービス提供していた。
ここまでは障害悪化ハイリスク支援(ターミナル支援)だが、ご本人とご家族より職場(自営)に半日でも行きたい旨の希望があった。
主治医と相談。緊急時連絡体制構築。車椅子座位設定とシーティングの実施。職場環境設定。
家族及び関係者介護手法習得と連携体制構築。・・・その他細々と細々と・・・
利用者の参加する社会ここでは職場の評価と障害疾病に関するリスク対処を、関係者が夫々役割分担してご本人の社会参加(職場復帰)を可能にした。
約2ヵ月。亡くなる3週間前まで半日の出勤が週2回実施できた。
障害悪化ハイリスク支援転じてIADL支援か?
・・・
・・・
達が生活している社会をどのように定義し、そして生活そのものを個別に生かせるのか。
本来、リハビリテーションとはそのような目的でサービス提供されるべきだろう。
IADLを単なる生活関連動作と和訳し、定義の定かでない社会と言う概念をただ利用者に押し付けてはいないだろうか?
「生きがい」づくりなどという大それたそして一方的なこちらの側の都合を、サービス提供の目的にしてはいないだろうか?
生活環境を無視した生活関連動作にどんな意味があるのだろうか?
利用者の「生活」をまるで「管理」するかの如くの我々のサービス提供手法は、もう止めにした方がいいのではないだろうか?
疾病や障害を管理する事が目的の医療機関。「生活」そのものを支援していく地域での活動。医療・介護の狭間が、いつまでも埋められない理由がそこにあるような気がしてならない。

参考
https://ssl.miwapubl.com/products/detail/933
http://www.team-forest.net/g1/images/20.pdf

2010.01.19 Tuesday 23:27 | comments(0) | trackbacks(0) | 

連携ケーススタディ7【障害悪化ローリスク支援】

JUGEMテーマ:介護

 【障害悪化ローリスク支援】・・・「歳のせいだから仕方ない」「そういうの我慢だから」


ケース1
 80歳男性。変形性腰椎症。要支援2。日常生活は疼痛がなければほぼ自立域。
整形外科受診するも、「歳だからね・・」「電気かけて・・湿布もね。」との対応。
仕方なく近所のマッサージ屋さん?に通っているうちに、痛くて動けなくなった。
地域包括担当者から、「このままでは寝たきりなのでは・・」と言うご相談。
拝見すると、整形外科的な神経症状は極軽度。痛みの殆どは腰・背部の筋硬直による疼痛。
ただし暫く臥床していたので動くに動けない状態であった。   
あらら・・
高齢の奥様と2人暮らし。
痛くてトイレに行けないからオムツにしようかと考えている。
地域包括の担当者さんの判断は正しい。
実はこういった何の理由もなく、寝たきりに移行していく方のなんと多い事か。
訪問でのリハ・・ここでは「運動器支援」であるが、実はこのケースの場合、数回の訪問で疼痛は解消し、元の状態に戻った。つまり「運動器支援」はほんの半月足らず。
留意事項は、腰・背部痛を生み出す原因の一つになっていた古いマットレス。
又、お話を伺うとマッサージの実施は、実は誤用の疑いがあった。
安静を要する段階で、かなり強い力で揉まれてしまって、かえって筋硬直を生み出したのでないかと思われるふしがあった。
マットレスや、疼痛防衛のためのサポーターなど相談。
運動は、包括支援センターで実施している機能訓練教室に通う事とした。
今後は、「かかりつけ支援」と必要に応じた相談訪問にて対応。
今は元気に町内会のお仕事されています。


ケース2
 65歳女性。変形性膝関節症。重度の障害を抱えるご主人の介護をされている。
当初、相談を受けて訪問した時はご主人の相談かと思われた程である。
お話をお聞きすると、膝だけではなく下肢全体が痛いとのこと。
介護が大変であること。日常生活にかなり支障が出ていることを伺う。
外来受診など外出して自分のために何かをするのは時間的に困難。
常にご主人の介護が念頭にある。
恐らく、膝関節周囲のコンディショニングだけでかなり改善するのではないかと思われた。
介護保険申請。要支援1と認定を受けたので、介護保険にて訪問開始。
週2回の訪問が2週。後は週1回の訪問に切り替えた。
疼痛は下肢コンディションの改善と共に軽減、立位歩行時は専用のサポーターを使用してもらった。本来は外来受診若しくは通所リハ移行ケースではあるが・・
ご主人の介護があるために、頻回に外出できず、ただただ自分のことは我慢する。
そんな日常を誰かが生活の中から相談にのってくれる。
そういう素地が、要介護を生まない背景になければならない。
約1年後、ご主人が亡くなった事を契機に、弊社リハ特化通所に来所されている。
勿論訪問は終了。来年の春にはきっと要支援状態からも離脱されるだろう。
そしたら・・ご主人の介護で培ったプロ顔負けの技術で、ボランティアなど如何でしょうか?


何かの事情で外出出来なかったり、誰にも相談できずにただただ我慢していたり。
「障害悪化ローリスク支援」は、今すぐに危機的状況を生まなくても後に大きな問題を
抱えてしまうであろうケースに対して、「生活」の場で適宜対応可能な支援である。
医学的には問題は小さくても、「生活」の中ではその問題の大小はお一人お一人で違う。
私達はそこに気がつかなければならない。
「かかりつけ支援」と「運動器支援」を足して3で割るようなサービス提供。
「生活」環境の中で起こる全ての事象に対応する支援。それが「障害悪化ローリスク支援」。


【IADL支援】 に続く・・

参考
https://ssl.miwapubl.com/products/detail/933
http://www.team-forest.net/g1/images/20.pdf

2009.12.25 Friday 17:54 | comments(0) | trackbacks(0) | 

連携ケーススタディ6【進行疾患支援】

JUGEMテーマ:介護

 【進行疾患支援】・・・進行性疾患・難病・悪性腫瘍等ターミナル支援

  この支援群は、ここまでの何らかの身体条件・生活条件を改善させるだけが支援ではなくなる。
現在ターミナル支援に関する議論はまだ完成されておらず、その方向性には個人の価値観や家族機能、社会的認知、地域性等考慮した対応が要求される。
ご本人の希望する生活保障が如何に達成されるかが問われる事は、当然であるにしても。

ケース1
 70歳男性。多系統萎縮症http://www.team-forest.net/h3-8/index.html
要介護3からサービス提供開始。当初何とか介助歩行可能であった。
この時点では、トイレの住宅改修を含め主に介護の質的軽減に目的が集中していた。
看護サービスは主に排泄と入浴といった療養に関するテーマが主体となり、リハは廃用性と原因疾患からの機能低下に対する運動療法と介護手法の開発、それに併せた環境の変更に重点を置いていた。又通所系サービス利用も為されていた。
肺炎での入院を期に、機能・能力とも急激な低下を来たし、要介護5となる。
全身状態が不安定となり、特に体温や血圧の変動に対応した日常生活の設定が必要になる。この段階で、リハは車椅子座位の確保とそのコンディションの維持にサービス目的を変更する。看護は看護処置及び全身状態の管理を徹底する。
家族・ご本人の希望は少なくとも数時間でいいから居間で過ごしたい旨話があった。
又、介護サービスはレスパイトを考慮した内容を強化する。
入浴サービスの導入・訪問介護の時間設定等家族の介護の量的軽減が指向された。
時間の経過と共に、車椅子は血圧の低下を考慮してリクライニングに変更される。
経口での食事は困難となり、胃ろうの処置を受ける。
主治医の配慮で入院時VF実施。  http://www5.ocn.ne.jp/~swallow1/swallow/bunken_list.htm
棒のついた飴等口に入れられるものをご家族と確認し、最も適した座位の設定を実施。
ベット上環境の設定。コミュニケーション手段の開発。ご用事ブザー(緊急ブザー)スイッチの開発等、少なくともご家族とご本人が安心して在宅生活を送る手段がサービス提供の主目的となる。
次々と変化する障害に対応し、機器の変更や環境の設定を行う。介護場面での対応や手段を開発し、関わる全ての人たちが共有する。
約2年間。ご本人、ご家族、そして主治医をはじめ多くの人たちが障害の変化に対応し、生活を保障する目的で関わる事ができた。


ケース2
  68歳男性。パーキンソン病http://www.team-forest.net/h3-8/index.html
訪問サービス開始時はまだ歩行が可能であった。
日内変動が大きく、機能訓練と共に介護手法の検討が常に必要であった。
通所サービスへの移行支援が当初の目的であった。
ここまで訪問看護サービスは提供されていなかった。午前中の時間帯はどうしても機能・能力とも低い傾向にあり、又介助量も大きくなった。
通所サービス移行後は、必要な場面での相談訪問を中心に、一時かかりつけ支援となる。
ベット上起居の能力低下が報告され始めた矢先転倒。大腿骨頚部骨折。長期の入院となり、廃用性症候群進行。手術を受けなかったためにその後は立位は支えて漸く可能なレベルで歩行は不能となった。又呼吸・血圧・体温調整の管理が必要で、通所サービス等外部サービスの実施は困難となった。
退院時移行支援にて、訪問看護・訪問リハ・訪問介護・入浴の各サービス調整。
主治医を中心に綿密な全身管理と介護手法の検討・開発が為された。
進行疾患は、疾患の進行よりも寧ろこの様なアクシデントから身体機能の低下を来たすケースが多い。又十分なバイタル管理が為されないままの外部サービスは、サービスに適応できないだけでなく、機能低下すら起こしてしまう事は銘記されるべきである。
リハサービスは徹底した廃用性の除去と、常に変化する状態に合わせた介護手法の開発が目的となり、約6ヵ月の退院時移行支援終了後は、並行していた看護にその役割を移す。
障害悪化ハイリスク支援と言った関わり方となる。
看護からは絶え間なく変化する状況をケアマネジャー・主治医・他のサービス事業者に情報伝達された。
残念ながら、その後肺炎の併発により亡くなったが、最後までご家族介護で車椅子で生活できる時間を持てた。


  しなければならない事。変化に対応する事。リスクを常に考慮する事。いっぱいあり。
ターミナル支援は勿論疾患や時期により、その目的やかかわりは変化する。
しかし、生活を如何に保障するかと言う観点に於いてはその基本軸は揺るがない。
末期の利用者さんの枕元で、必死に緊急ブザーのセッティングをしている作業療法士。
24時間常に管理と処置に飛んでいく医師・看護師。変化する介護手法を見事に実行するヘルパーさん。そして何より献身的に付き添うご家族。
そんな連携チームがターミナル支援の根幹を支えている。
治したり、改善したりしない医療・介護。自立支援ではなく生活の保障に徹する支援。
それが進行疾患・ターミナル支援である。


【障害悪化ローリスク・移行支援】につづく・・・

参考
https://ssl.miwapubl.com/products/detail/933
http://www.team-forest.net/g1/images/20.pdf

2009.12.08 Tuesday 22:24 | comments(0) | trackbacks(0) | 

連携ケーススタディ5【障害悪化ハイリスク支援】

JUGEMテーマ:介護

 【障害悪化ハイリスク支援】・・・医学的管理と生活再構築が混在している場合


ケース1
 
70歳男性。重度の心疾患及び合併した脳梗塞による四肢麻痺。要介護5.
ベット上生活。胃ろうを中心とした栄養摂取、一部経口摂取できるものもあり。
地域保健師から相談。本人及び家族から居間で過ごしたい旨の希望あり。
約1年間ベット上生活である。往診している主治医もリスクを考慮して現状維持の指示であった。
ベット上起居は全介助。車椅子に座った経験がない。
移動は入院等の時にストレッチャーが使われていた。・・・さて・・
 運動器や循環器のリハビリテーションでも廃用性症候群に対するリハビリテーションでも、その目的は「こちら側」の理屈からは幾らでも思考できる。しかし・・
この場合リスクを考慮し且つ生活の中で改善点を見出すには「こちら側」の理屈は無用に思えた。
主治医及び保健師そしてケアマネジャーと綿密に打ち合わせし、ご本人とご家族と更に相談をした。
生活の改善点は、車椅子使用が可能になる事が最も意味があるように思えた。
離床すること。そのメリットは医学的にも又介護場面に於いても大きな意味を持つ。
主治医と入念なリスク管理を打ち合わせ。訪問看護を導入し、その中でリハを実施。
座位を確保するための身体的な機能改善に取り組んだ。
当初ギャッジアップすら困難な状態から、後に支えて30分程度座っていられるだけのコンディションとなる。勿論血圧計とモニターと睨めっこの結果である。
並行して、看護師、ヘルパーそして誰よりもご家族が車椅子に移乗させるだけの条件を整えた。車椅子はリスクを考慮しリクライニングを選択し、併せてシーティングを徹底した。(http://www.team-forest.net/o_manual/?p=71
この間、訪問看護では全身状態の改善や呼吸訓練等も実施。看護師とリハが主治医の指示の基に完全に分業体制で臨んだ。
約3ヵ月。勿論ご家族やご本人に意欲があったから可能だったのだが・・リクライニング車椅子にご家族が移乗させて、居間で約2時間程度過ごせるまでに改善した。
この時点で、既に看護師とご家族は拘縮予防のための簡単なメンテナンスを習得していたため、一旦リハは終了し看護師だけの訪問に切り替えた。
最終的には居間で過ごすだけでなく、ショートステイが利用できるまでになり、離床と車椅子座位の効果が生活の中に生かされた。


ケース2
 60歳女性。糖尿病。週3回の透析。
ケアマネジャーとご家族から相談。最近歩行が困難で自分で起き上がれなくなっている。
ご主人と2人暮らしで、日中ご主人は仕事で留守となっている。
麻痺等の障害は認めなかった。・・・と言うより・・すぐに原因が理解できた。
脱水若しくは低栄養状態。電解質異常?・・・リハどころではない。
透析のために通院しているのだが、医療機関からの指示を守っているにも関わらず、生活環境はかなり考察を要する状態だった。
7月だというのにコタツに横たわっている。汗をかなりかいている。
食事は自ら用意できないため、ご主人がいろいろ購入しているもので間に合わせている。
薬剤の管理やその他の医学的な管理が徹底していない。ただ・・病院内の指示を守っている。
すぐに主治医に連絡。訪問看護投入。リハは廃用性症候群対策を要するが、現状では全身状態のリカバリーに集中した。
サービス提供以前に一時検査入院実施。又医療機関の透析担当看護師に生活環境を見てもらい、その場でカンファレンスを実施した。
秋口には・・歩行訓練が可能となった。歩行器使用ではあったが、環境設定を並行し、何とか日常生活の自立度を向上させて行ける状況にまで改善した。
【かかりつけ支援】と基本的に異なるのは、その後も同様の管理や必要に応じた専門職の投入が必要な状況が続く事である。又医学的な管理は、在宅に留まらず医療機関と直線的に連結した対応が要求される。
・・・来年にはご主人が年金支給となるので2人で居られるみたい。よかった。


  医療的管理が徹底しないとすぐに自立度が低下したり、若しくは生命の危機に瀕するケースは実は稀ではない。介護保険だけの目線で在宅生活を考慮すると大変なリスクとなる。
又医療機関等が適宜対応して在宅サービスとリンクする事で、大きな効果を生む事が可能である。医療と介護場面(生活場面)が断絶した状態では、何ら対応策は生まれない。
在宅でのサービス提供では、リハは道具に徹する事が重要で、目的をはっきりと認識した上でその役割を果たす事が肝要である。
状態がハイリスクであれば尚更必要に応じた専門職の投入が望ましく、ケアマネジャーだけではなく関わる総ての職種がお互いに連携しないとサービスの効果を生まれにくい。
医療機関の外来リハを通所リハに切り替える事が、医療と介護の連結ではない。
寧ろお互いの役割を明確にし、専門職がその持てる能力を発揮しあって、初めて医療と介護場面が結ばれるように思われる。
 
 最近・・金銭的な理由で医療機関から遠ざかっているご家庭が散見される。
どんなに在宅サービスを充足しようとも、どんなにご家族が頑張っても、ハイリスクの状態を回避できずに、ただただ我慢している状況。
・・・ケアマネジャーさんや保健師さんから相談を受ける度に心が痛くなる。
私達の社会は、医療と介護が断絶すよりももっと大きな問題を内在し始めているのではないだろうか? 


【進行疾患支援】につづく・・

参考
https://ssl.miwapubl.com/products/detail/933
http://www.team-forest.net/g1/images/20.pdf

2009.11.20 Friday 01:43 | comments(2) | trackbacks(0) | 

連携ケーススタディ4【かかりつけ支援】

JUGEMテーマ:介護

 【かかりつけ支援】・・・・生活を保障するためのメンテナンス・処置・相談など


ケース1
 75歳女性。大腿骨頚部骨折。退院後、退院時移行支援及び運動器向上支援で約3ヵ月訪問リハ実施。日常生活はほぼ自立に達する。通常この後は必要に応じて通所サービス移行若しくは介護保険対象から脱するケースである。
変形性膝関節症を合併していたため、元の生活水準で活動しようとすると、腰部や下肢に疼痛が出現し、そのため恒常的にメンテナンスを要する状態にあった。
又、ご主人が寝たきりの状態であったために介護で外出が制限され、外来受診や通所系サービス実施が困難な状態であった。
主に腰部・下肢メンテナンス実施。靴やサポーター、杖などの相談にのりながらサービス提供を続けた。
約1年間、理学療法士が訪問実施。当初の退院時移行支援時は週2回の訪問。運動器支援からかかりつけ支援の初期は週1回、かかりつけ支援移行後は、徐々に訪問の回数を減らし、最終的には隔週のメンテナンスで十分な状態となった。
この頃、寝たきりであったご主人が亡くなり、外出の制限がなくなったため、訪問を終了し、理学療法士在籍の通所サービスに移行した。
現在、通所サービスも卒業間近で、次回介護保険認定時には自立判定となる見通しである。現在、ボランティア活動参加を心待ちにしている。


ケース2
  35歳男性。脊髄損傷。退院時までに十分なリハが実施され、車椅子移動ながら日常生活は自立域であった。相談訪問時に外出と職場復帰のための排泄に関するニーズがあった。排尿は、定時の自己導尿であったが、どうしても不安ありとのこと。主治医と相談の上、間欠式バルンカテーテル(http://www.team-forest.net/h3-1/barun.html)にて対処する 。
訪問は当初週1回の看護師訪問にて、バルンに関する練習や管理処置を実施。その後主治医指示により、月数回の看護訪問で十分対応可能となった。
排泄に関する対策や処置は、実は相談や簡単な処置で済む場合が多いが、日常生活及び社会生活に於いては大変重要な位置を占める。こういったかかりつけの支援は訪問看護ならではの大きな役割となる。


 生活に密着したサービス提供であるため、様々な理由で適宜相談や処置を要するニーズがある。サービス提供は比較的長期になるが、運動器向上支援とはまた別な意味でカテゴリー化すべきである。問題が解決されれば、当然次のサービスに移行する事になる。
こういったきめの細かい生活保障と、専門職が関与する機会が、日常生活や社会生活を保障する事になる。多職種が連携し且つ医療機関よりも敷居が低い訪問看護ステーションが担う役割は大きい。

 かかりつけ支援は、期間を設定し一定の効果を期待する移行支援や運動器向上支援とは違った形で評価する事が肝要である。
訪問系サービスがエビデンスを出しにくい理由の一つであるが、個々の事業所若しくは個々の専門職の問題点の捉え方が標準化されていないために、気がつかれずそのまま問題が放置されているケースが意外に多い事を知るべきである。
日常生活に留まらず、社会生活を考慮したサービス提供手法をもっと開発し、実践研究していく事が今後望まれる。

障害悪化ハイリスク支援につづく

参考
https://ssl.miwapubl.com/products/detail/933
http://www.team-forest.net/g1/images/20.pdf

2009.11.05 Thursday 00:41 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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